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2006年10月 6日 (金)

道徳の授業:いじめる側といじめられる側


今日は小1の息子の参観でした。

授業は「道徳」。

いつもはほのぼのと息子の様子を見ているだけですが、

今日は「いじめ」をスケールダウンした形で考える授業だったので、

私も集中しました。

さる.JPG

石を投げてくるサルに、カニたちは何度も「やめて」と言いますが、

サルは聞き入れず、怒ったカニたちはみんなでハサミをふりあげ「やめてくれ!」と迫る、

というあらすじです。お話はここでおしまい。

かに.JPG

「カニさんは、石を投げられて、どう思ったと思う?」

「やめろ、ボケ!」……え、ボケ?

「アホサル、やめろ、うざい!」……アホ、うざい?

もっとシクシクと、やめてぇ〜という意見が出るかと思ったら、

ケンカ腰でののしり言葉もついた発言が立て続けに出たことに、少々驚きました。

男の子の意見だからかもしれませんが、全体的に、

「何で投げるの?」と理由を尋ねようとまでは、まだ思わなかったようです。




「じゃおサルさんは、どうして石を投げたのかな」

「退屈」「つまらない」。うん、テキストにもそう書いてあるし、納得。




「おサルさんは、やめてって言われたのにやめなかったね。サルの気持ちは?」

「石投げが面白かった」。

「一人で寂しい」。おっ、いい意見が出ました。先生も後でちゃんとここを確認しました。

でも私としては、「カニがなんか可哀想になってきた」という優しい意見が出なかったのは

ちょっと残念です。そう思った子もいたかもしれませんが。

さるとかに.JPG

極めつけはこれ。ハサミを振りかざされて恐れおののいたサルの絵を見て、

「カニさんはどう思ったかな?」

「サルを殺したる!」「ハサミでちょん切る!」……えぇーー!




時間もなくなってきたので先生はまとめに入ったのですが、

石でハサミが折れたり死んじゃったりするカニもいる、ということで「いのち」を大切に、

みんなの身体はとっても大事だから、叩いたり蹴ったりしないように、と念を押しました。

そして「一人ぼっちで寂しかったから」石を投げたという、サルの気持ちも再確認し、

いじめる方にも「わけがある」とまとめました。



最後にサルの顔とカニの顔が描かれたプリントが配られ、

それぞれの気持ちを書き込む演習をしました。

ま一応これで「もう石投げはしません」「いっしょに遊ぼう」という意見が出たので

ホッとしたのですが、






こういうお話を、どれだけ現実の教訓としていかせるのかなぁ。







そこが難しいなと思いました。

少なくとも今日の授業では、まだ1年生だから仕方ないのでしょうが、

子どもたちは単なる「お話」と捉えていたように思います。

実際、先生が「いやなことされたら、あなた一人でも相手に『やめて!』って言えますか?」

と問うと、ほとんどが「言えなーーい」と答えていました。





今日の授業を見ていて、いじめを苦に自殺してしまった、

北海道の6年生の女の子のことを思わざるを得ませんでした。

彼女も、大勢で「やめて!」と言えていたら……。

そして、いじめる方も、彼女の立場になって考えていれば……。

本当に、今生きている人たちがみんな、

相手の身になって考えてやれるだけの余裕があればいいのに……。

そう思うと、これから大きくなる子どもを預かっている私たち子育て世代は、

大変な責任を負っているのだと改めて感じました。




相手の身になって考えて行動するというのは、

いくら子どもに言い聞かせてもすぐできるものではないですよね。

普段から機会を見つけて、人の気持ちについて息子と話し合ってみたいと思います。

そして私も、子どもの手本となれるように、相手の身になって――我が子や夫の身になって、

行動の裏にある気持ちを上手に読み取れるようになりたいと思います。……難しいけど。





長くなりました。読んでくださった方、どうもありがとうございました♪


(写真は、奈良県人権教育研究会編『なかま しょうがっこうていがくねん』より)







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子育て」カテゴリの記事

コメント

TITLE: Re:道徳の授業:いじめる側といじめられる側(10/06)
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難しいですね。いじめの問題も、道徳の授業も。(教育実習で道徳の授業をしましたが、教師の人間性や価値観で、子どもたちも左右されると感じました。)

私が、学童期の子どもたちによく言っていたのは、「人の嫌がることはしない」「自分がされて嫌なことはしない」「自分がしてもらって、嬉しいことを人にもしなさい」です。

相手の身になって、考えて行動するということも、なかなか難しいです。だけど、その気持ちを忘れず、できるだけ、優しい気持ちで人に接していきたいと思いますし、わが子にもそうなって欲しいです。

TITLE: Re:道徳の授業:いじめる側といじめられる側(10/06)
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実際の子供達の発言を知って、ちょっとショックを受けました。感情が乏しいというか・・・。
みんながみんがそうではないでしょうし、まだ1年生だから、上手に感情を言葉で表現できないこともあるんだろうけど。
親が常に他人の感情まで考える姿勢を示さないと、子供には伝わらないのかもしれませんね。私も気をつけなくちゃ。

TITLE: Re[1]:道徳の授業:いじめる側といじめられる側(10/06)
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yuminorinさん

「人の嫌がることはしない」「自分がされて嫌なことはしない」「自分がしてもらって、嬉しいことを人にもしなさい」

ホント、大切なことですよね。これをお互いに意識するだけでも、人間関係がうんと楽になると思います。意識すれば気持ちも変わるし、気持ちが変われば行動も変わる……といいな。うぅ、子育てって奥が深いわ! もっと気楽にいかないとアップアップしそう!

TITLE: Re[1]:道徳の授業:いじめる側といじめられる側(10/06)
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ひまわり123さん

そうなんです、私も目の前の子どもたちが実際に残酷なことを平気で言うのを見て、ショックでした。もちろんごく一部の子だろうけど、一人がそういうと、そういう雰囲気になってほかの子もののしり言葉が出てきたり。
前に読んでいた愛情表現の本では、例えば事故のニュースや、麻薬中毒などの問題を見聞きしたときに、当人や家族の悲しみなどを話して気持ちを大切にすることを教える、とありました。
素直に話を聞いてくれる今のうちから、少しずつやってみたいと思います。

TITLE: Re:道徳の授業:いじめる側といじめられる側(10/06)
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1年生でも、もう少し登場人物の気持ちになって考えられると思っていたので、びっくりしました。
どうしてなんだろう。。

ひまわりさんがおっしゃっている事にも通じるかなと思ったのですが、家の場合なのですが、子供が私を叩いたら、由君がこうされたら、どう思う?。カエルが階段に寒い朝にいたら、カエルさん寒くないのかな?。車がいきなり飛び出してきたら、事故になっちゃったら、大変だよね。どうしたのかな?って、他愛もない事なのですが、会話を楽しむ様にしています。

他の人の気持ちや、このことをするとその先はどうなるのかといった事を考えられる人になってもらいたいな。。って思います。

TITLE: Re:道徳の授業:いじめる側といじめられる側(10/06)
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いじめ、これはわたしにとって最近痛切にまた大変身近に感じるものです。自殺した女の子、本当に可愛そうでなりません。実際「無邪気な悪魔」のなんと多いこと。でも当人には単なるふざけでほとんどその残酷さに自覚がないんですよね。攻撃的な性格って持って生まれたものなのかしら・・。

TITLE: Re[1]:道徳の授業:いじめる側といじめられる側(10/06)
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annie4442さん

登場人物の気持ちになって考える……できそうでまだ無理なのかなぁ。まぁ子どもにしてみたら、こんな些細なことから社会問題の「いじめ」に発展する可能性がある、なんて想像もできないでしょうから、「単なるお話」と取っていても仕方がないのでしょうね。普段の親子の会話で気をつけていきたいと思います。この授業をみて気づけただけでも良かったな〜。

TITLE: Re[1]:道徳の授業:いじめる側といじめられる側(10/06)
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minnaさん

「無邪気な悪魔」まさにその通りです。
いじめは私も中学のときに経験しているので、たぶん人一倍関心が強いと思います。いじめる側のあまりに残酷な気軽さ……。それに気づかないところが本当に恐ろしいです。子どもたちが平和に学校生活を送れるよう、本当に切実に願います。

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